カロリーの計算もちゃんと管理しよう

カロリーの計算を記録する様子
ダイエットをするのなら、意思の力で闇雲に行なってもあまり大きな成果は得られません。
つまり精神論だけでは挫折するもとであり、最初から計画的に、論理的に考えて行なう必要があります。
特にホメオスタシスによるダイエットの停滞期を脱出するには、意思の力すなわち精神論より、科学的根拠のある手法を継続的に行なう計画性と論理的思考能力が必要です。
迷いが生じた時にはトレーナーなどの専門家に意見を求めることも大切です。
ダイエットを行なおうとするからには現在の体重が標準体重より上回っている過体重の状態であると推察されます。
またそうでなくとも何らかの理由でさらに体重を絞り込みたい人もいるかも知れません。
現在の体重と目標とする体重を、客観的に眺めることから始めてみましょう。
まず過体重であるということは、現在摂取しているカロリーが過剰であるということです。
つまり1日の総摂取カロリーが必要以上に接種されているのです。
それでは適正なカロリー計算をするにはどうすればよいのでしょうか。
手始めに標準体重を計算してみます。
標準体重を求める計算式は、「身長(単位:m)×身長×22」です。
身長が160cmの人であれば、「1.6×1.6×22=56.32kg」となります。

そして適性カロリーの求め方は、三つの条件により異なりますので分けて考える必要があります。

  • 1日のほとんどを室内で動かずに過ごす人
  • 家事や仕事を普通に行なっている人
  • 肉体労働従事やスポーツ・エクササイズを習慣的に行なっている人

普通に仕事をしている人でも1日中デスクワークに従事しているのなら(a)に近いと考えましょう。
参考までに標準体重ではなく、美容体重であれば「身長(単位:m)×身長×20」、モデル体重であれば「身長(単位:m)×身長×18」と計算します。
ちなみに計算に使用される22・20・18という係数はBMIと呼ばれる指標ですが、病気にならない健康さを目指すには22が推奨され、18つまりモデル体重は一般の人は目指さないようにするのが無難です。
ヨーロッパの国々の一部では、BMI18以下のモデルはショーへの出演を規制するなどの動きが出始めています。
もちろん健康への啓発という意味です。
そして(a)に相当する場合は体重1kgあたり25kcalが適性カロリーになります。
同様に(b)に該当する人は30kcal、(c)に該当する人は35kcalになります。

それでは実際に計算しましょう。
前例にならって身長160cmの人の場合は理想体重は56.32kgでした。
その人が(a)1日のほとんどを室内で動かずに過ごす人ならば、計算方法は「56.32kg×25kcal=1,408kcal」ということになります。
同様に(b)家事や仕事を普通に行なっている人ならば「56.32×30kcal=1,689.6kcal」、(c)に該当する人ならば「56.32×35=1,971.2kcal」となります。
こうして計算したカロリーを、1日の食事に割り振ります。

個々の食材から計算し始めると大変なことになりますので、例えば「メニュー別カロリー一覧表」などと検索すれば代表的な食事メニューごとのカロリー量が表示されている他、ダイエット関係の書籍でも同様の一覧表がありますので活用しましょう。
例えば、天ぷら定食は830kcal、カツ丼は1,020kcal、きつねうどんは398kcal、シーフードカレーは760kcalという具合です。
こうした数値を把握して、1日の総摂取カロリーを先述の計算式で求め、その数値を超えないように食事を摂る工夫をするのです。
次に必要なのはその先に待ち構えるホメオスタシスによる停滞期を脱出する方法の検討です。

食生活を振り返ってみよう

前述の計算やメニュー別カロリー一覧表を見ると、やはり現実にはそれを超えてカロリー摂取をしてることが思い当たるはずです。
そこで食生活を振り返ってみる必要が出てきます。
ただし1日の総摂取カロリー内に制限しているのに、かえって太ったという皮肉な問題も起こりえることに注意しましょう。
どういう場合でしょうか。
それは会社員の場合に多々あるように、朝食はトーストだけか朝食抜き、昼食は軽く済ませる、ただし夕食は同僚や顧客らとともに会食して多めのカロリーを摂取する場合です。
こうした場合は1日の総摂取カロリー内に収まっているはずなのに太ってしまいます。
その理由は簡単です。
普通夕食の後といえば寝るだけですので、直前に摂取したカロリーを消化できずに終わります。
つまり食べたものがそのまま身になってしまうという訳です。

メニューがたくさんある朝食
ではどうするのが良いかといえば、これも簡単です。
朝食で1日の総摂取カロリーの50%を目標にたくさん食べることです。
そして昼食は35%、夕食では15%とすれば合理的です。
1日の活動を支えるために朝たくさんのカロリーを摂取し、カロリー消費しにくいタイミングでは少なく摂取する訳です。
しかしこのような食生活をしたとしても、仕事をして緊張状態にある時はよいのですが、終業後のリラックスした時間にはどうも食べ足りないと感じられるはずです。
これを続けるには相当の意思の力が必要になり、冒頭で説明した通りの精神論に陥ってしまいかねません。
それでは対策を検討してみることにしましょう。

手っ取り早くこの問題を解決するには、1日3食という食事スタイルから脱出することです。
思い切って1日5食としましょう。
もちろん1日の総摂取カロリーの範囲内で1回あたりの食事の分量を決めます。
こうすることのメリットは二つあります。
まず1食あたりの食事の分量が少なくなりますので物足りなさと空腹感を覚えるようになりますが、次の食事時間までの時間が短縮されますので意外に大丈夫なものです。
そして1食あたりの分量が少ないということは少食であるということであり、こうした習慣を続けると胃が次第に小さくなります。
その結果過食すると気持ちが悪くなったり腹痛を起こしたりします。
思う存分食べられないことに不満を感じたとしても、その段階でダイエット体質が出来上がっていることを喜ぶべきです。

会社員の場合は1日5食の食事は無理だと思うかも知れません。
しかしそれは考えようで、おにぎり・サンドウィッチ・果物などを用意しておけば、10時と15時の休憩時間に食べることができるはずです。
そして10時と15時に食した分のカロリーをトータルで総摂取カロリー量から引いた分量を、朝食・昼食・夕食に振り分ければいいのです。
こうした工夫には意思の力がはいる余地はなく、むしろ楽しんで行なえるはずです。
食生活見直しの考察の終わりに、理想的な栄養素の摂取量を上げておきます。
栄養素はたんぱく質・炭水化物・脂肪が該当します。
たんぱく質の摂取量は「理想体重×2」と覚えておきます。
理想体重が56kgであれば「56kg×2=112g」です。
炭水化物はその倍です。
「理想体重×4」あるいは「たんぱく質摂取量×2」と覚えておき、「56×4=224g」と計算します。
なお脂肪は食材にもともと含まれているものだけを摂取するものとして、糖分や油分はそれ以外には採らないようにすれば大丈夫です。


オベリット

困ったらジムのトレーナーに聞くのも手

ダイエットを続けていると、必ず停滞期が訪れます。
痩せる薬や食事制限によってカロリー規制をしても、それだけで痩せるにはやはり限度があるからです。
体に負担のかけない糖質制限ダイエットを行うのも手段の一つでしょう。
しかし、厳密な自分の中でのルールや法則を定め、守ることは難しいのです。
これは意思が弱いのというのとは無関係で、むしろ停滞期は当然と考えて、それを脱出する方法を考えるべきです。
それではカロリー制限を行なう他に、どのような取り組みが必要になってくるのでしょうか。
食事制限をダイエットのためのひとつの柱だとしたら、もうひとつの柱は筋力トレーニングになります。
中年期にさしかかると太りやすくなるという声が上がりますが、それは筋力が低下するからです。
社会的な立場は上がっていき、より責任の重い仕事に就くと自由度はかなり制約されます。
その結果運動不足に陥り、筋力が徐々に無くなっていくのです。
つまり基礎代謝が衰え、カロリーを消費しにくくなっていくという訳です。

筋力トレーニングは専門的な知識が必要になるため、ジムに通ってトレーナーの指導を受けるのが一番です。
トレーナーは効率期に筋力を上げる術に熟知していますので、トレーニング方法だけではなく食事の取り組みにも豊富な知見がありますので、停滞期が脱出できず困ったら、ジムのトレーナーに聞くのが最良です。
しかし運動不足になったのは時間の自由が利きにくくなったからです。
経済的な問題もあるでしょう。
そして筋力トレーニングを効果的に行なうには、正しい情報さえあれば意外に大丈夫なものです。
そうした道を選ぶのであれば、まずは信頼できる著者による入門者向けの筋力トレーニングの教則本を入手します。
高名なトレーナーやアスリートが書いたものならば大丈夫でしょう。

基礎代謝を上げるための筋力トレーニングは、例えばボディビルのコンテストに出たり格闘技や短距離陸上選手のような身体づくりをする必要はないのです。
流行の言葉でいえば「細マッチョ」で十分です。
日常的な動作をシャープに行なえるに足る筋力がつけば十分というものです。
詳しい説明は教則本に譲るとして、忙しく時間もなかなか取れない人はどうやって効率性を高めるかを考えます。
筋力トレーニングを行なう最適な時間帯というものがあります。
それは夕食後です。
まず食事の後ということで、食事で得られたたんぱく質を筋肉の増強に充てることができやすくなります。
またその後に就寝することになりますので、入眠後に分泌される修復ホルモンや回復ホルモンの働きを最大限に利用することができます。

そしてトレーニングのメニューも、曜日ごとに時間割を作ると良いでしょう。
筋肉に負荷をかけると筋肉はいったん壊れるようにできています。
そして48時間かけて修復され、より太い筋組織が出来上がっていきます。
そのため同じ部位の筋肉を毎日鍛えるのではなく、同一部位のトレーニングは1日おきに行なうのがコツです。
筋肉を無理にいじめないようにしましょう。
筋肉に負荷をかけて鍛えることといじめることは別です。
無理をすればトレーニングが続けられないほどの筋肉痛を覚えるでしょう。
このような工夫を行なっても、正しくできているかどうか不安である、また効果がなかなか現れて来ない、というタイミングでトレーナーに相談するのも良いでしょう。
論理的に学んで考え、それでも成果がでない時にトレーナーに相談しても手遅れということはありません。

なぜ停滞期が訪れるの?

停滞期で体重が減らなくなった女性
さて計画的にダイエットに励んでも、理想体重に至る途中で停滞期を迎えることがあり、なかなか脱出できずに悩むこともあるはずです。
トレーナーにも相談しました。
ただしこれまで述べたことを正しく実行していれば、トレーナーにもそれ以上の智慧はないかも知れません。
そもそもなぜ、停滞期がやって来るのでしょうか。
なぜ停滞期を脱出するのが難しいのでしょうか。
その理由はホメオスタシスにあります。
ホメオスタシスとは、簡単にいうと生物に備わっている現状を維持するための生理的メカニズムの働きのことです。
ホメオスタシスという言葉を日本語に置き換えれば生体恒常性という訳語が考えられます。

ダイエットにおけるホメオスタシスは次のように働きます。
食事制限を行なっていると、より少ないエネルギーでもできるだけ身体の状態を維持しようとするホメオスタシスが働きます。
その結果、食事の分量を減らしているというのに体重が減っていかないという状態になります。
そしてエネルギーの消費量が元に戻る前に、何らかの理由で食事制限を中断して元の食事量に戻した時に、今度は余分なエネルギーとしてカロリーが身体に蓄えられてしまうのです。
この状態がいわゆるリバウンドであり、ダイエットにつきものの失敗と言えます。
ホメオスタシスの働きを排して停滞期を脱出するには、意思の力に依存するのは危険です。
意思の力とは無謀な我慢較べであり、理想体重を勝ち得るかホメオスタシスに屈するかの分かれ目なのですから、精神論はやはり無益です。
意思が弱いと考えるのは精神論しか信じていないことの裏返しでもあります。
これではダイエットは無理です。
視点を変えてみましょう。
近年では外科手術によって脂肪を取り除くという美容整形技術を見るに至りましたが、そうした過激な方法によらず脂肪を物理的に取り除く方法があります。
それが有酸素運動です。

有酸素運動に強い意思は必要でしょうか、そんなことはありません。
むしろカロリー制限や筋力トレーニングよりも楽で、なおかつ脂肪分解効率の高い運動方法です。
具体的な方法は、息を乱れさせないようなレベルの運動で身体を動かし続けることです。
散歩・自転車運転程度で十分な効果が得られます。
ただし注意点は二つあります。
それは30分程度行なう、朝食前に行なう、これだけでホメオスタシスによる停滞期を脱出する有力な方法になります。

有酸素運動のメカニズムは、運動のエネルギーを炭水化物ではなく体脂肪に求めることにあります。
身体を動かし始めて20分が経過すると、体脂肪は少しずつ溶け始めます。
そして血流に乗って身体を巡り、筋肉組織に吸収されていきます。
そこで得られる酸素と出合い、脂肪は燃焼します。
こうした仕組みで行なわれるため、有酸素運動は30分程度行なうのが良好です。
20分以内では効果はありませんし、時間に追われる身であればそれ以上の時間を割くのは難しいでしょう。
そのかわり継続すればよいのです。
また食事の後では食事で摂取したカロリーが消費されるだけですので、体脂肪を燃焼させるには直前の食事から最も時間が経過しているタイミング、すなわち普通であれば朝食前が最善なのです。
有酸素運動は時にトレーナーでも盲点になることがあります。
その他意思の力を過度に求めないための効率性を考えると、食事の際に辛いものを摂って脂肪燃焼を助ける、食物繊維を多めに摂って血糖値が上昇することによって起こる糖が脂肪に変換される作用を抑制する、などがあります。
こうした論理的思考と工夫がホメオスタシスによる停滞期を脱出する契機となるでしょう。