特に激しい運動やダイエットをしているわけでもないのに、体重減少してきた場合は要注意です。
それも1月当たり数キロのペースで体重減少のスピードが急激な場合には何らかの病気が隠れている可能性が濃厚です。痩せる意外に特に症状がなくても安心できません。
体重減少が起きるのは食物などで摂取するカロリーに比べて、体内で消費されるカロリーが上回っているためと想定できます。
一般的にはダイエットをすれば人為的にこの環境に体が措かれるので、消費エネルギーが増加するため痩せにつながります。
このような要因が無ければ、基礎代謝は加齢による影響を除けば、急激に変動することはありません。それでは急な体重減少をもたらす病気の幾つかの特徴など検討してみましょう。

エネルギーの代謝に異常をきたす病気として、忘れてはならないのは糖尿病です。
糖尿病にはI型とII型に大別することが出来ますが、飽食の時代とも言われる日本も含めて先進国で増加しているのは、II型糖尿病です。このタイプの糖尿病は不適切な生活習慣が影響して発症し、日本の患者の90%以上を占めるといわれています。
糖の代謝にはインスリンによって、体の組織が利用可能な状態に変化されることが重要ですが、糖尿病ではインスリンがすい臓から分泌量が減少したり、インスリンの効きが悪くなっています。
インスリンが必要量分泌され機能しないと、細胞は糖をエネルギーとして利用することが出来ません。
しかし細胞は生命維持のためにエネルギーを必要とするので、足りない分を筋肉や脂肪を分解して必要なエネルギーを取り出そうとします。
糖のエネルギー変換が機能不全に陥った結果、筋肉や脂肪が急激に減少するので短期間で体重減少が起きることになります。

糖尿病は高血糖により全身の毛細血管を傷つけ、腎臓障害や末梢神経障害など深刻な合併症に発展するリスクを高めます。
急激なやせ(るいそう)は高血糖が継続していることの裏返しでもあるので、一刻も早い受診が必要です。
体重減少をもたらす消耗病としては昔から、結核が有名です。この病気は結核菌という細菌が侵入することによる感染症です。全身どこにでも発症する可能性がありますが、肺結核が大きな割合を占めています。
結核菌は体内の組織に炎症や破壊をきたし、身体に消耗を強います。長引く風邪かと思っていたら、実は結核だった、というのも良くある話です。しつこい咳がおさまらず体重減少もでてきたら結核の可能性も念頭に置く必要があります。

死の危険もある、癌が発症しているかも

体重減少が見られる病気として、最も注意すべきは癌の症状の可能性があることです。
癌とは正常細胞とは異なる腫瘍細胞が人体で無制限に増殖し、血液やリンパの流れに沿って原発巣から離れた場所に新たな病巣を発生させる病気です。
体のどこにでも出来る可能性がありますが、初期には無症状で経過することが多いのが特徴です。
癌が原因による体重減少の特徴は、病気が進行するに従い減少のペースが上がり同時に著しく体力も消耗する点にあります。激しいやせの状態を「るいそう」と表現されることもありますが、癌による痩せは独特の経過を辿ります。

癌による痩せは栄養補給による改善は期待できません。同時に栄養分の代謝にも深刻な障害が発生しており体内のあらゆる臓器に影響を及ぼし様々な症状を伴ってきます。これが「悪液質」という状態です。
悪液質になると、もはや体重減少をとどめる術は無く、体内は低栄養による飢餓状態となり、やがては生命に関わる事態になります。
風邪で体調を崩して食欲が落ちて、体重が少し落ちた程度は日常でもよく経験することですが、急激に痩せてくれば何らかの病気のサインと考えられます。
特に癌がある程度進行すると体重減少が頻発します。急激な体重減少は重大な病気を示唆する症状なので、心当たりがある方は速やかに医師の診察を受けて下さい。